環境を通して行う教育・保育について~北海道国公立幼稚園・こども園協議会に参加して~

7月27日に1日日程で北海道国公立幼稚園・こども園協議会に参加してきました。

今年度は第4ブロック(道東地区)のオホーツク地区の訓子府こども園が実践に基づいた研究発表を行いました。

午前中は提言に基づいた研究協議がグループごとに行われ、ウェルビーイングや異年齢交流などについて情報交流を行いました。

午後からは聖心女子大学の河邉貴子氏の講演があり、今後の幼児教育において示唆に富んだ話題で盛り上がりました。

全道や全国規模の研究大会への参加は幼児教育の情勢やトレンドを知ることができるので楽しみな機会です。

講演の中で「主体性と環境の関係」についてお話がありました。その中で、こどもの思いと環境との出合いについて、ふっと気づかされたことが

ありました。ふつう私たちは「こどもの姿」の原因をこどもの「内部」に求めがちですが、こどもの思いの出発点はこどもの「内部」ではなく、環境との「接点」にある

とのことでした。われわれはこどもの「興味や関心」は、こどもの「内部」に期待してしまう。そして、こどもたちの主体性を論議してしまいがちです。でも、やるべきことを

しっかりやっているのだろうかと立ち止まって振り返る必要があります。

本園では今年度、『環境を通して行う教育』を研修の一つの柱として月ごとに環境構成をその季節や身近にある廃材、色紙などで遊びの多様性を図っています。

子どもたちの中で「遊び」が生まれ、変化し、消えていく、この循環は繰り返されます。その年の年長児によって、遊びが深まったり、そうでなかったりもします。

先生方には、「1学期ももう少しで終わります。残り1か月の中で、こどもの遊びをみる視点と環境の関係について考えてほしいと伝えました。

私がこどもと触れ合ったときに感じたのは、今のこどもたちは「遊びが長続きしない」「自分は何が好きなのか分からない」「環境にかかわりながら遊びを生み出せていない」

「環境とどんなふうにかかわったら面白くなるのか突き詰められない」「見通しを持てない」「友達との関係が希薄である」ことが気になりました。

ウェルビーイングの考え方をどのように幼児教育に生かしていくのか、一つの指針が示されていたように感じました。

 

 

第1回園内研修会(7月14日)~熱中する遊びでフローな状態を形成する~

今年度初めての園内研修会をオホーツク教育局教育支援課学校教育指導班指導主事佐藤亮太氏を招いて開催しました。

午前中は園内外の保育を観ていただき,午後からは3つのグループに分かれて熱心に研究協議が行われました。

今年度は主に異年齢交流と環境を通した保育指導に焦点をあてて園内でも研修を進めてきています。

昨日は4,5歳による異年齢の活動を行った後に,園庭で水遊び,今年は天候の影響でまだ以上児(3歳~5歳)全体で2回ほどしかできていませんでしたが,

砂場で塩ビ管や水鉄砲,シャベル等の遊具などを使って暑さも忘れて熱中して遊びこんでいました。バケツで水を汲んでビニールシートに海をデザインしたり,

塩ビ管で位置エネルギーを利用して水の流れを実験したり,創造性を発揮して遊んでいました。

給食は4歳と5歳で一緒に仲良く食べました。いつもと隣の人が違うので少し緊張した様子でした。

こどもが熱中して遊んでいる時は自分と時間への意識が低下している状態(=フロー状態),この状態こそが学びや創造性を発揮するのに最適な状態といわれています(ピーター・グレイ『遊びが学びに欠かせ

ないわけ 自立した学び手を育てる』参照)。こうした活動へ誘うために環境をどう構成していくかが本園の今年度の取組になります。

最後に佐藤指導主事から指導助言が3点ほどありました。

①保育教諭がどういう声かけの援助し,環境構成につなげていくか?自ら声をかけたり,待ったりするタイミングが大切である。

②10の姿をもとによさを見逃さないこと。

③異年齢の関わりは家族の中でも減ってきて,なおかつ固定化している。今後,異年齢の混じり合いは重要になってくる。相互に関わること,関わらないことで関係性がうまれていく。

異年齢交流の交わりは,遊びの個性化を十分に保障した中でさらに活性化していくことが確認できました。

環境構成を遊びの個性化につなげ,異年齢交流に弾みをつけていきたいと思います。

園内研修(6月30日)

今年度は園児が主体性を発揮して遊びに向かうための環境構成のあり方に焦点をあてて園内研修に取り組んでいます。

月替わりで担当者が廃材や身近にある素材を提案し,各クラスで製作したものをごっこ遊びに活かしたりしています。

素材の提供の方法も文章のみではなく,視覚化して各クラスがイメージしやすいように工夫もしています。

その結果,園児が主体性をもって取り組む姿につながったり,発想や先生の声かけで遊びが広がったり,気づきが生まれてしています。

カラービニールを使ってアイスクリーム屋さんごっこ遊び,テープで貼り合わせたり,はさみでお花の形に切ったりしていました。

研究保育(3歳児)~環境構成について考える~

昨年度は,園児が自ら考え,主体的に遊ぶことのできる環境や援助について探ってきました。

今年度は保育WEBの研修を行い,園児の遊びや心の成長の変化など,「10の姿」にスポットを当て検証をしていきます。

5月27日に3歳児の研究保育を行いました。図鑑を見てカタツムリについて理解したり,絵本を読み聞かせて,「かたつむり」の生態についてお勉強をしてから,紙などの素材を使って,かたつむりの製作を行い

ました。環境には遊具,素材,絵本や図鑑,園庭,砂場,動植物,情報機器,教師,他の園児などがあります。幼児は,自分なりのやり方で自分の生きる世界を理解していきます。

文部科学省の次期学習指導要領の論点整理をみると,これからの幼児教育のトレンドは『環境を通して行う教育』と謂われています。

お部屋で園児にカタツムリ(実物)を提供,子どもの興味や関心が一気に高まります。自分の製作物を喜んだり,命名したり,お散歩に一緒に出かけたり,楽しかったことを振り返ったり,ただ作るだけで

なく,作ったものを遊びにつなげていくことも大切なことでした。

今年度は,研究協議の進め方にも力を入れています。7月の園内研修会を踏まえて,いくつかの視点(園児の姿,環境構成,保育教諭の支援など)を付せんで色分けして,研究保育を深く掘り下げていきま

す。話し合いは先生方からたくさんの声を聞くことができ,気づかなかったことや実際に自分の保育を考えるきっかけにもなります。

日案(指導の目安になる当日のスケジュール)をみると,いろいろな環境が散りばめられていました。それぞれの環境に教育的な意味があり,園児の興味や関心を高める保育教諭の説明や指示もありまし

た。どうしても先生の話を聞くことが苦手な園児,目に入ってくる物や人に関心が行きがちな園児,特性を考えればありがちなことです。園児への指示は大変です。

保育指導は日案通りには上手くいきません。ねらいがあっても達成できないこともあります。計画に甘さがなかったか,今日の環境はどうだったか,指導の流れはスムーズだったか,今日のこどもの

姿を思い浮かべることで再び新しい発見があり,次の保育指導に活かされていきます。計画→実践→評価→改善→計画・・・・のサイクルが年間を通して繰り返されています。