この日は研修部より今年度の活動計画について提案がありました。
今年度はポイントが3つあります。
1つ目はドキュメンテーションの充実です。
ドキュメンテーションとは園児のこども園での生活のようすをお知らせする保護者あての文書のことで学校で言うところの『学級だより』です。
幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿を意識して,園児の育ちを多面的にとらえて作成するように心がけていくようにしていこうと考えています。
今年度は各学年で作成したドキュメンテーションの交流を6回ほど予定しています。
2つ目は研究保育の日案の様式を学校の研究授業で行うものに近づけて保育指導をイメージしていこうと考えています。
指導者が本時の目標を確実に指導すること,指導のプロセスを統一して全職員で取り組むこと,園児のよさや可能性を見い出すことがねらいです。
3つ目は園児へ提供する環境です。環境はその時期に触れさせたい素材,その遊びを通してどんなことを育てたいのか,どんな場面で主体的な姿が見られたのか,
与えられた環境で遊ぶことはできても,提示された環境でどれだけ園児が主体性を発揮して遊ぶことができるのかを考えていきたいと思います。

第1回の園内研修は園長講話を行いました。
幼児教育のトレンドは幼保小連携であるように思っています。
1990年代半ばに「小1プロブレム」というワードが流行りました。小学校1年生が就学してから数カ月において集団行動になじめない問題のことです。
そこで5歳児が就学前にどんな資質が必要なのか,小学校が求めている児童像について考えてみました。
そのよりどころになるのが「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」です。本園の取組をもとにみんなで考えてみました。
他には,小学校との共通点や相違点,学校教育と幼児教育の類似性について説明しました。
今年度は管内4園からなる研究会の当番園になります。プロジェクトチームを編成し,架け橋プログラムの作成に着手することも考えています。
また,重点教育目標を【主体性を発揮して遊びに向かう子ども】としました。子どもの「やってみたい」といった関心や興味のエンジンを大切にすること,それにかかわる保育教諭が
どのように子どものよさや可能性を拡げていけるかを考えていこうと思います。指導のプロセスについては『園だより』第1号に掲載(4月9日配信予定)します。よろしければご覧ください。

今年度最後の園内研究会を行いました。
来賓に北海道教育庁オホーツク教育局教育支援課義務教育指導班指導主事の的場暁代さまをお迎えしました。
幼児期までに育ってほしい「10の姿」を意識した保育が重点項目です。教室にとどまらず,グランドでも園児たちの遊びがたくさんありました。
秋を意識した製作物がお部屋の前に展示されたり,グランドでは身体を使った粗大運動,自然と異年齢の交流が発生したり,各々が遊び込んでいました。
先生方の環境構成にもねらいがあり,子どもたちにこうなってほしいという思いが込められていました。
畑の収穫遊び,製作の楽しさや作物を収穫する喜びを疑似体験しています。 研究協議ではたくさんの付せんが貼られています。5つの領域,10の姿,研修の視点にそった
話し合いが熱心に行われました。


今日の研修は,幼児教育と学校教育の連携や協働について文部科学省が制作した動画を観ました。
幼保小連携は,どこの研究会に出席しても幼児教育にとっても低学年の学校教育においても話題に上るようになってきました。
幼児教育は方向性を示す後ろ伸ばしの教育,積み重ねた経験(学びの芽)が小学校でさらに伸びていくことを期待しています。
就学を円滑に進めるために,幼児教育では*『幼児期の終わりまでに育ってほしい姿』を活用しています。
10の姿は5歳児までのゴールを想定し,自分ができるようになることを目指しています。
動画では,学びの芽を育む上で重要なこと,疑問や気づき,自分で考える,みんなで話し合う,失敗してもまた挑戦するなど
さまざまな経験を積み重ねることで問題を解決する力やコミュニケーションを図る力が育まれるとまとめています。
子どもたちが「やってみたい」という興味のエンジンがかかるようにどのような環境を構成するか,保育教諭の関わり方も重要なことを示唆しています。
*『幼児期の終わりまでに育ってほしい姿』子どもの育ちを保育者が「見取る」上での視点となるもの。
10の姿には,①健康な心と体 ②自立心 ③協同性 ④道徳性・規範意識の芽生え ⑤社会生活との関わり ⑥思考力の芽生え
⑦自然との関わり・生命尊重 ⑧数量や図形,標識や文字などへの関心・感覚 ⑨言葉による伝え合い ⑩豊かな感性と表現
があります。

第2回目の園内委員会を教育相談員の武田さん,大空町役場から山崎さん,女満別小から白戸さんに来園いただき開催しました。
最初に各クラスの気になるお子さんについて情報交流しました。少しずつ出来ることが増えてきています。
継続して支援が必要なお子さんもいます。発達支援センターや大空町役場福祉課,教育委員会など専門機関との一層進んだ調整や協議が必要なご家庭もあるように感じました。
今日のメインは保護者対応についてです。保育教諭は保護者にも適切な支援を行う必要があります。
保護者対応は異校種においても永遠のテーマであり,こども園でも同じような難しさを持っています。
信頼関係をどう構築していくか,先生方がどのような手立てで取り組んでいるか,その効果はどのくらいあるのか,振り返ってみることも必要です。
保護者さんへの伝え方を工夫したり,日々の活動が成長につながっていることを伝えていくことは大切です。
「こういうことをしたら,これができるようになった」と具体的な動きを示すことで保護者さんと共有できます。
本園ではドキュメンテーションで日常の子どもの姿や言葉を記録し,どのような学びや育ちがあったかを可視化しています。
また,1対1のやりとりには校務支援システムの連絡帳を使って個別に情報を共有しています。
ただし,連絡帳にはいくつか留意点があります。若い先生方は,その留意点については習得していない先生も多いはずです。
自ら自信をもち,保育のねらいや思いを効果的に発信できるようになることは資質向上には不可欠です。
今年度の研修は,先生方の悩みに寄り添うことをテーマにしています。保護者対応は組織的に取り組んでいく必要があります。
園内研修や園内委員会で資質向上を図っていきたいです。

管内こども園の保育教諭が集まり本園で研修会を行いました。
訓子府,ひがしもこと,滝上から8名の先生方にお越しいただきました。
午前中は,保育公開として園庭での水遊びや砂遊びを参観していただき,午後からは研究協議を行いました。
今年度は,研究主題を「遊びを通して,友達とつながり合う姿を求めて」と設定しました。
遊びを通して子どもたちがつながりを感じるための保育教諭の援助のあり方や環境構成の工夫を追究していこうと考えています。
研究協議①では,本日の保育について,そのねらい,評価の観点について振り返りを行いました。
一つの遊びから好きな遊びへひろがったり,異年齢の関り,自分のやりたいことをしっかり考えて参加する,楽しく遊ぶための工夫を考えていた等の反省が出ていました。
研究協議②では,3つのグループに分かれてワークショップ形式で協議を行いました。子どもの活動場面を「つながる」ことをテーマにいろいろな意見が出されました。
最後にまとめとして訓子府町認定こども園教務主査,北海道幼児教育相談員であられます矢口真美さんにご指導ご助言をいただきました。
①つなげるために道具を活用する。②発達段階に応じた遊びや学びを保障する。③ひとつの遊びから次の行動が生まれ,それがつながっていく。
④研修は大変だけど,あきらめが肝心,すべては子どものために等々,多岐にわたって示唆に富んだ助言でした。一つでも多く本園の研修に活かしていければと思います。
参加された他園の先生方にも貴重な意見をいただきました。ありがとうございました。

今年度から月に1回行われる職員会議の中で10分ほどKYTに取り組んでいます。
KYTは『危険予測訓練』のことです。
危険を想像する目を養うことが狙いです。多くの企業が取り組んでいる危機管理における研修の1つです。
KYTシートに予想される危険をできるだけ多く出してもらい,重大事故につながるものを2つに絞って,自分ならどうするか,チームとして注意すること,どう行動するかをまとめます。
職員会議の前の週に各学年で話し合ってもらい,職員会議で各学年ごとに発表をします。
会議で話し合った内容は参加できなかった職員にもシートをデータ化してどんな内容だったのか回覧できるようにもしています。





今年度第1回目の園内研修,顔合わせです。
今年度は同僚性を発揮する職場づくりがテーマです。
同僚性は,子どもの育ちを支えるための話し合い,助け合い,協力,学び合いを意味します。
研究主題は『遊びを通して,友だちとつながり合う姿を求めて』です。
主題を達成するために保育教諭がどのような工夫に取り組み,どのような声かけをしていくのかを探っていきます。
ちなみに,主題のキーワードを「遊び」と「つながり」と考え,次のようにおさえています。
◇遊び・・・・・生活そのもの,できないことができるようになる,自分の居場所がある,体験を再現する
◇つながる・・・自分を見つめなおす,友だちを受け入れる,相手に届く言葉で伝える,共通のイメージを持続ずる
☆同僚性を育む研修『回転式 いない いない ばあっ!』(下の画像)

今年度最後の園内委員会を教育委員会の硯 邦子相談員をお招きして行いました。
内容は年度末のまとめ,次年度に向けた方向性について協議しました。
こども園にはいろいろな特性をおもちのお子さんが通園しています。
我々は個別に支援を行う際,そのようなお子さんの特性を理解し,その方向性を明示する必要があります。
一般的に集団場面で大きな困難を抱える子どもたちとは,どういうお子さんでしょうか?
・コミュニケーションにおいて場面緘黙になる(ある場所になるとしゃべれなくなる),
・ある物に固執する強いこだわりがある(切り換えが難しい),
・注意欠如や多動性がみられる(落ち着きがない),
・ルーティンがないと動けない(マニュアルがずれると力が発揮できない),
今日は,担任からクラスで困難を抱えていそうなお子さんについて1年間で成長したところ,次の課題について発表してもらい,
在園児の引き継ぎを中心に,卒・入園を控える園児について職員一人ひとりに心積もりをしてもらいました。
先生方の声を拾うと,「友だちと一緒に遊びたい気持ちはあるが,一方通行なことが多い」

「伝わらないとイライラして保育教諭にあたってしまうことがある」「静かにする場面でも話が止まらない。動きも止まらない」
「耳をふさぎ,目をつむり大きな声を出す」「少しずつ集団の指示でも理解し行動することができるようになってきた」
「イラストを見ながら,自分で行うことができるようになった」「言葉が足りずに友だちとトラブルになる」「聞いても適切な返答がない」
その子の行動には必ず理由があります。上記に示した困り感には,その土台となる特性があることが科学的根拠により証明されています。
その件については別の機会とします。
このような特性を持つお子さんは,増加傾向にあります。我々は正しい知識で実効性のある手立ちを確立して対処していくことが緊要です。
2大行事である「はっぴょうかい」も終わり,少しずつ落ち着きを取り戻しています。
各クラスの2学期前半のまとめについて交流した後,発達を促すあそびについて考えました。
今回も教育相談員の硯先生と女満別小学校中野教諭にお越しいただきました。
遊びの目的を子どもの発達の視点から認識することが大切と考え,実際に遊んでいる動画を見ながら「聞くあそび」「見るあそび」「記憶するあそび」「言葉あそび」について協議しました。






3つのグループに分かれて「子どもの発達に応じたあそび」について検討し,各グループごとに発表して交流しました。
それぞれの力を育むための遊びは,昔からやってきた遊びが多いです。
それらの共通点は,できた時の達成感,繰り返しできる楽しい遊び,ひとり遊びから集団遊びまで幅が広いもの,同じ空間にいて,同じ空気を吸う,共同する ことができるものでした。
☆「聞く」力を育む遊び~だるまさんがころんだ リズム合わせ(=ある物を言いながら,手をたたく) かるた
☆「見る」力を育む遊び~コロコロ・ストップ(=転がってくるボールを足の裏で止める) ラインの上を歩く あやとり 輪投げ あっちむいてホイ!
☆「記憶する力」を育む遊び~スリーヒントゲーム(=3つのヒントを言って,そのものをあてる) 後出しジャンケン フルーツバスケット 山手線ゲーム(新幹線の名前 怪獣の名前)
☆「言葉を理解する力」を育む遊び~早口言葉 仲間集め(動物,乗り物など)なぞなぞ